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ろう児の赤ちゃん時代に大事なことは? Part1

最初に断っておきます。
今日は真面目な日記になります。
聞こえない子どもの教育に何が大切なのか?というテーマです。
興味ない人は飛ばしてもいいです。が、見てもらえたら嬉しいです。


今日は私が尊敬している先輩の講演企画があって、それを見に行きました。
その先輩はろう教育を中心に色々話されていました。
その講演を聴いて色々考えたことを書きたいと思います。


※ろう教育・・・聾学校などの教育だけでなく、聞こえない子どもたちが受ける教育の総称

※ろう児・・・聞こえない子どものこと「聾」+「児童」=ろう児

このお話で一番興味深かったのは、「子どもの言語獲得までに何ををすべきか?」といった話でした。

まず、通常では、赤ちゃんは0~2歳までの間に耳に入ってくる
音声で自然と言葉を覚えて発音していきます。
そして、平均的にいって、3歳ごろになるとほとんどの言語をしゃべれるようになります。

ところが私は、聞こえないというのが分かったのが2~3歳でした。
それと同時にろう学校に入って、聞こえの訓練(残された聴力を生かして音を聞き分けられるようにする訓練)や発音の訓練を受けました。

もちろん、ことばの獲得もその時からです。

つまり、聞こえる赤ちゃんが3歳の時点ですでに覚えている単語より、聞こえない赤ちゃんが3歳の時点で知っている単語の方が明らかに少ないわけです。

それで、3~5歳までの2年間は、聾学校の幼稚部(幼稚園みたいな感じ)で、徹底的に言語を教え込まれ、ことばを覚え、発音の練習もさせられました。
そして小学校に上がるまで、だいたいのことばを覚えているように
教え込まれたのです。


これが今までの現状でした。

もちろん、これにはたくさんの問題がありました。
まず、「情操教育」が無視されてきました。

※情操教育・・・簡単に言えば人間の感性を育てる教育

先輩が話されていた例では、

「発音が下手な子どもがいて、その子どもはお母さんに「ママ」と呼びかけた。
でも、発音が下手なので、「ママ」が違うことばに聞こえてしまう。
それでお母さんは、「正しくママ、と言えるまで振り向きません」、と
子どもに言ってずっと無視している」


というケースがあったそうです。

子どもにとっては、「おかあさん」と言いたいだけなのに、
それが「発音の練習」「うまくしゃべれるようにならないといけない」
これが壁となってしまいます。
そして、子どもが「おかあさん」と言って、お母さんが「なあに?」と振り向く、といった当たり前のこともできなくなってしまっていました。

これはとっても大きな問題です。

子どもは、親とのコミュニケーションで心を育てていきます。
親に呼びかけたら振り向いてもらえること、「なに?」と聞いてもらえること・・・こういう親とのやりとりで、子どもは自然と親から愛をもらうことを覚えていくのです。

しかし、この子どもはそれが無視されてしまったのです。
あまりにもかわいそうだ、と思いました。

またこれは私の経験ですが、
例えば普通にテレビを見て、「わぁ!あのケーキおいしそう!」と思うとします。
そういう時、

「おいしそう~~!!!」

と言いますね。

私も言いました。小さい頃。
その時は、親も

「そうだね、おいしそうだね」

と言ってくれるものと思っていました。
そしたら、親が

「違う!今の発音は違う。もう一回言ってごらん」

と言ったのです。

それで、「おいしそう」というのを何回かうまく言えるまで繰り返し
言い直されたのです。

こういうのが何回か続くと、私自身もがっかりするというか・・・
おいしそう!!って思って素直に気持ちを表現しただけなのに、
何でそれを何回も言い直されなければならないの?みたいな気持ちになってそのうち、話すのをやめてしまいました。
悲しかったのを覚えています。

こういう例は普通にたくさんあるのです。

発音の練習をしないといけない、という面では仕方がないこと、と
思う人もいるかもしれません。

ですが、子どもにとっては非常に大きな問題なのです。

おいしそう!だとか、こわい!だとか、うれしい~、とかいうような
心からの素直な表現が自然とことばに出る、ということ。
この喜びや悲しみ、嬉しさ、恐怖、だとかいった色々な感情を外に出すこと。

これは子どもにとっては自然なこと。

そして、「わぁ!すごい!!」と言ったことに対して、親が「そうだね、すごいね~」と答えてくれること。
この親とのやりとりで子どもの心は成長していくのです。
でも、それを、「発音」という壁で摘み取ってしまうのです。

他にも、子どもが転んでケガをして、

「痛い!」

と言って泣いても、お母さんは駆け寄って「大丈夫?」と言うどころか、

「今のは、い・た・い だよ、もう一回言ってごらん」

と発音を訂正してしまうということもありました。

このように、発音がうまくならないといけない、ということだけで
頭がいっぱいになって、子どもの自然な感情や気持ちを大切にする
ということが無視されてしまうということがたくさんありました。

その結果、子どもの情操教育が無視されてきたのです。
そのために、自分の感情をうまく出せない子ども、自分の気持ちを
うまくことばに出来ない子どもも出てきました。

それで今は、「発音の練習が全てではない」「子どもの子どもらしさを
大切にした教育をすべきだ」というように見直されているところも
あるそうです。

ろう教育は、発音の教育やことばを覚える教育、聞こえの教育など
色々な教育があってそれぞれ大切なことですが、やはり一番大切なこと、
失ってはならないことは、「情操教育」しかないと思います。

情操教育を失わず、聞こえない子どもを教えてゆけたらそれが一番
理想的ではないかな、と私は思っています。


・・・つづく。


コメント

かなり勉強になる講演会やったんやねi-184
あたしも興味深いわ☆(癶∇癶*)

あたしの母も、鬼!?って感じるぐらい厳しかったけども、今となっては感謝してるなぁ。
だって、その言葉と発音に厳しかったおかげで、健常者と変わる事なく普通に文章が書けている。
言葉や発音に甘かったら、きっとそこまで色んな言葉も知らんかったと思うな。
そやし、あたしは聾学校の先生と母には感謝してるよi-175

でも、その情操教育を失わず、聞こえない子どもを教えて行く事が出来るのなら、それが一番ベストなのかもねi-237

2006/10/15 (Sun) 19:24 | 女神(ピンク) #L1ch7n1I | URL | 編集

そうだよねぇ。
おいしい!って伝えたいのに、言い直しさせられたら凹むよね。
たまに自分の子の発音がおかしいと、無意識に訂正させてるのを思い出しました。

例(虫が死ぬ)→(うしがしむ)
最初はうしが飛んでるっていうのを聞いて笑ってたんやけど、
ずっとこのままだと大変だという思いから、訂正させてるんですけど、子供からしたら今までそれでよかったのに突然訂正させられるようになったんでショックやったやろうなぁと。。。
他人の目があるのも正直ありますが、
伝えたい時、伝えたい人に、伝えたい事が伝わらない方が
子供にとって一番辛いんやろうなと思いました。
なんで、なんでも頭ごなしにするのは気をつけようと思いました。

2006/10/16 (Mon) 18:08 | むらよし #- | URL | 編集

おひさでーす。
そうだねー。ねこの日記見て幼稚部にいたときのこと
思い出してしまったわ…。
確かに何を言うにも発音、発音、発音~の毎日だったなぁ。
今でも幼稚部にいたときはあんまり遊んでないなぁって
記憶が。。。。

それっくらい、うちの親はみんなについていけるように
必死だった…てのも今は理解できるなぁ。笑
でもそういう育て方をしてくれたのにも感謝してる。
今社会においてはそういうことで恥かいてないし…。

でもやっぱり、子供らしくのびのびと遊びたかったなぁ~。
そうしたら、もっとうちの心は海より深くて優しい心を
持ってたのかなぁ~て思ってしまいました。。。。
なかなか、興味深い講演だったね♪

2006/10/17 (Tue) 21:42 | へち #- | URL | 編集

>PINK

そうだね、やっぱりことばとかに厳しかったおかげで
色んなことばを知ることが出来て、自分の意思を他人に
伝えられるようになったっていうのは大きいと思う。
それがあるから、必ずしも発音だとかことばを教えるとかは
悪いことではないと思うんだよね。
でも問題なのは、そのやり方なんだと思う~。
何を大事にしなければならないのか?を考えないといけないかもね。


>むらよし

そうなんだ~。
小さい頃は間違えてても、やがては正しいことばを覚える
時が必ず来るのだから、きっと大丈夫!とは思ってるだろうけど
親としては心配だとか世間の目が気になるとか色々あるんだろうね。
一番いいのは子どもが子どもらしくのびのびとできること
なんだろうけど、でも、正しいことを教えるのも親の役目なんだから、
その辺のバランスは考えていかないといけないんだろうな。


>へち

およよ?おひさですか~?
へちっていう名前に心当たりないんだけど、もし良かったら
私に通じる名前教えておくれ!!

とりあえず、お久しぶりですw

そうだねぇ、幼稚部のころ色々教育してくれたおかげで
今があるっていうのは分かる!
でも、小さい頃もっと色々遊ぶ時間があったらとか思うんよね。
教育と遊びのバランスっていうか。
興味深い講演だったねぇ~。

2006/10/18 (Wed) 23:45 | ねここ #- | URL | 編集

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